世界/森本隼
 
ぼくらあまりにもユメ見がちなせいで
いつしか静かにひびが入ってたんだ
この世界で二人だけのような気がしたのも、
いまや、呆れた思想と脂肪の過剰摂取による不可抗力で

(その眼差しは遠く)

ふざけあいながら、拒んだセックス
もその素顔をしったから

液体化したふ菓子の沈殿物のような<しこり>

もうあの子を確実にあの子を見ている
不毛な付き合いで体力を消耗したくなかった
ほとほと嫌気がさしていた

会話がなくても繋がっていたかった
日に日に離れていく二人
求めるものは一緒だった

ぼくら最強だって思ってた
単に「恋人」という名札をつけた幼稚園児のようなものだった

これでよかったんだ
と思える日がくるのか
しかしあなたに興味がない


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