置かれた春に/
朧月
春のせいにしないで
花びらもつぶやくのに
君は去ってゆく
春の風はゆるやかだと
思い込まないで
春はいそぐ
春はうつろうから
ゆったりだと思おうとして
君を捕まえているつもりで
隣にいないことなんて
忘れることにしてた
花びらは 何色?
この風は 何色?
君の手の温もり
忘れることにしました
春のせいにしないで
二人の影はもう見えない
道標 置いてきぼりの
桜の木は風に揺れる
戻る
編
削
Point
(1)