描かれる雨の記憶/
健
雨が降る日
アシスタントが描いたような風景に包まれた 夕闇の中
違和感を積み上げて昇り
たどり着いたのは 三階建てのアパートの屋上
疑いの目を向けて迫ってくる風にのせ
傘を飛ばす
ただ遠くまで
飛ばす
過ぎ去ったことを
抱きしめるのが大好きだった
例えば 今まさに
あの傘が出会い守り始めた水たまりのような
そんなもののことを
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