呼吸をするようにひらかれていく/
瀬崎 虎彦
貝の中で眠る
エナメルに身を添わせ
なめらかな肌に
潮騒を聴きながら
貝の中で歌う
孤独とは空間原理
反響して丸く閉じていく
原初細胞の相似形
世界の外では日が昇り
また太陽が燃え落ちていくのを
水底で想像してみる
わたしの形をした
硬質な住居がいま
呼吸をするようにひらかれていく
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