こわい夢/朧月
こわい夢をみました
こわい夢はこわいものになって
私を覆っていきました
なぜこわかったのか
それは私にはかなわないものだったのです
私がなにをしても なにを言っても
言葉が通じなかったのです
こわい夢をみました
こわい夢はこわいままで
私を覆い尽くしてゆきました
なぜこわかったのか
それは私と違う価値感で 全てが語られていったからで
私が感じた想いが 全部否定されそうだったのです
こわい夢は現実の中で
こわい想いのまま生きている
こわい気持ちもなくならないまま
こわがりながらとぼとぼ歩いている
こわい夢をみなくなるには
こわいものなしになることだという
こわいものなしになるには
約百年生きないといけないらしい
こわいもんなんかないわい と言った
裏のおばあちゃんは 強くて
こわいことないと言いながら
たったひとりで しにました
それを知った私は
やっぱり こわいと思いながら
こわいものをこわがりながら
とぼとぼと歩いているのです
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