ポエトリカルドリームガール/Ohatu
ものように、普通の人に
見せるための訓練をして家を出る。まぶしくて嫌
になる朝日に向かって、浅いパンプスで歩き出す。
私は私で、私なの。なんだかそんな言葉を思い出
してひとり笑い。駅前では絵を売る少女、イベン
トのチラシを配る少女、ショーウインドウの向こ
うで床を磨いている美容師見習い。何だか、楽し
そうにしている。私は、あのとき、楽しかったの
かどうか、もう分からない。私は、ああしている
とき、生きていたのかな。
私は私に聞いてみる、私はどこかで間違えたのか。
その答えはとても簡単で、とても強い。
改札で人の流れが収束される。たくさんの人だ
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