穏やかな休日を待っている/
瀬崎 虎彦
目を伏せたりしないで
じっと見つめて
声をかけたりしないで
ただ耳を済ませて
水底にきっとそれは
クレオソートのように孤独に
濁ったり輝いたり結晶して
誰の目にも触れることがない
この声しか持ち合わせていないので
この言葉しか知らないので
ほかに伝える術がないのだけれど
水底できっとそれは
ある晴れた朝とともにふたたび訪れる
穏やかな休日を待っている
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