詩集評 国道四号線のブルース 構造 1000番出版555シリーズ /リーフレイン
 
がべばりついたアスファルト
僕は車を止められなかった
そうしてひしゃげてしまった
ボンネット
みんな通り過ぎて
幾夜もたって
過ぎ行く季節はもう秋で
稲穂がすっかり錆付いた
掻き混ぜろ、苦い苦い



詩集の題にもなった詩である。ストレートに、誕生と同時にひしゃげた蛙は本人であり、彼が思うところの詩集の象徴なのだろう。蛙は潰れている。誰にもかえりみられることもない。ただ、米を掻き混ぜる自分のみがその光景を噛み締める。いやしかし、詩は書かれ、こうして読まれているのだ。つまるところ詩に書く行為そのものが米を掻き混ぜることなのだろう。

もうひとつ。
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