Around The Life/寒雪
 


歩く
沈黙したまま
砂に足を取られて
懸命に歩く
背後に人影
振り向くと
たぶん
僕の好きな人が
背を向けて
立ち去ろうとしている
行かないでくれ
でも、
僕はあの人と
逆に歩いていかなければならない


ずいぶんと来てしまった
風に吹かれて
足跡はだいぶん消されたらしい
気がつくと
どこか寒々とした
荒涼な原野が
眼前にひらけている
こんなはずじゃなかった
いや
僕にはふさわしい光景さ
相反する思いが
僕の脳裏で激しく交錯する


星一つ瞬かない夜空は
ぬりつぶした絵の具みたく
僕の心をしめつける
どこまで行っても
明るい陽光は拝めない
誰も愛してはくれない
信じられる人間なんていやしない
愛すべき何か・・・・・・・・・
 まっぴらだ!
誰もが僕を打ち砕いてしまえばいい


誰か、
 僕を暖めてくれないか・・・・・・・・・

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