猫の爪/朧月
 
私の言葉が尖るのは
爪とぎ忘れた猫だから
咲き始めの葉っぱだから

ごめんなさい
ごめんなさい
と春にまかせておじぎした

ぽきん と折れる
かもしれない

でもね でもね
そよそよそより 風がふき
黄色い花も ピンクのも
みいんな咲いている 

だから

いいんじゃないのと 君は言う
あるんじゃないのと 君は言う

ある かな
顔あげた とたんに
ざああと 風ふいた
風ふいた


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