ゲットー / ****'99/小野 一縷
 

た神経トランスファーだけを今は信仰します。ひらひら飛んできて両方の耳穴毛を焚き上げて脳皺をぴりぴりさせるハイハットへのヒステリックなスクラッチ摩擦熱の連続は弱電流を帯びたホタルの霧です。漂流するプランクトンの吹雪を掻き分ける海藻のゆらゆらを思わせる電子的夜光虫は冷たいコンクリフロアの中から噴出して煙に絡まりつつ瞼の中に張り付いてきます。

それらは、心臓バルブの揺れで拡散・集合を往復 リピート 繰り返しますが、いつどこの誰の心拍における話でしょうか。これは。

こんな場所で閉じてしまった心の中のお話でしょう。きっと。

でもそんなことは どうでもいいはずなんです。ここでは。


−club ghettoにて−
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