感情による共感、によらない一体感についての個人的な考察/テシノ
 
まずは思い出話から始めさせていただく。

かつて私の父は、射撃の腕前がなかなかのものだったらしい。まぁ殺し屋だったんですがね、結婚を機に廃業したのも遠い昔のお話です。
で、子供の頃、そんな父とアーチェリーをやった事がある。
的を狙うという行為自体が初めてだった私は、最初こそ自分がひょろんと射た矢が地面に突き刺さるだけでも大興奮だった。
しかしそんな私の隣で、父は何度か試すように矢を放った後、嫌味なくらいにズバズバと的の真ん中に矢を命中させていった。

こいつ…アーチェリー初めてだって言ってたのに…

これは子供心にも面白くない。しかも彼は元来、熱中しだすと自分の立場を忘れる類いの
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