バク/
アマメ庵
お日様が番屋ヶ峰の後ろに帰ると
空まで水がいっぱいになった
蒼い浜辺
小さな花が 黄色く光っている
舫を放たれた漁船が
上に 下に
あるものは沖に
あるものは山に 泳いでいく
ぼくは そんな集落を俯瞰しながら
あの家の焼き魚や
この家のカレーライスを想像する
水の中の
町の上の
ちょうど真中あたり
犬が齧った月が落ちている
路地裏のバクに草をやったら
おうちに帰ろう
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