別れの朝/
朧月
冷たい朝でありました
早くに出かけるあなたのために
朝 一番のお水をくんで
綺麗なガラスのコップにくんで
綺麗な心で差し出した
はずなのに
早朝のカタイ空気に阻まれて
カタイままの顔 こころ
の私では
やわらかい ふわり
とした春の水は手に入らず
居座った冬の氷のはった
カタイ水に手を噛まれて
真っ赤に染まった水なのでした
いってらっしゃい
うまく笑えていたでしょうか
こころ 添えられずに見送った
いってらっしゃい
永遠に 永遠に
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