332歩目/
あぐり
でうずくまりそうになるから少し、
息を吸った
今、
轢かれてしまえば、
わたしにはなんにも残らない
それで善いよって笑えてたのは三年前で
今はきみの顔を思い出すから
立ち止まって左を見ては
瞳孔に力を込めて歩き出す
あやまらなくていいんだよって、
(そう髪を撫でたきみだけに
やっぱりあやまりたいんだ)
332歩目から息を少し吐いて
きみと繋ぐために少しでもこの手を温めようとしている
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