無機質な/寒雪
明日はもっといい日なのかも
そう思うだけで
いつでも手足が伴わない
口に含んだガムのように
出しかけた言葉を飲み込んでしまう
おまえが向かい合う日常は
おまえの心の中に
恐怖と嫌悪しか生み出さないのか?
何かを探し出そうとしている
そんなフリだけで
おまえをかき乱そうと企む
毒爪を隠し持った輩が
おまえの背後で笑いをかみ殺す
おまえの精神の表面を
いつまでも消えることのない細波
おまえの耳元に届くものは
亡霊の井戸端会議で
誰もおまえの輪郭なんて
本気で知りたいなんで思っていない
おまえは読み捨てられた新聞
投げ捨てられた煙草
それでもおまえは
心の中に要塞を抱えたまま
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