別れ/
いっと
七色の水が流れる川
架かる橋を渡ると
煙が立ち込めていて
しばらく歩くと
世界が暗転した
(どこにもない
たった一つのものを
願ったはずだったのに
真夜中に考えたのは
暗闇に本当が示されている
気がしたから
つたない思いを綴った手紙は
いつも一通で済んだ
溶けるように消えてしまって
少しさびしい
(誰にでも
足りないものがある
教えてくれたのは
夏の花火の残り香
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