白い壁を見よ/瑠王
白い壁を見よ
神秘のベールを纏う白い肌の君よ
徐々にはだけてゆく官能を追う
我らすべて君の虜、白い肌を這う尺取虫
全貌を望み君の乳房で眠る、あるいは
君に裏切られたものは落下して大地に横たわる
恐怖と誘惑の白い肌の断崖よ
その瞳の色ひとつで掌握する魂の支配者よ
堅く閉じられた瞼の絶望と
それでも生命の泉は唇に潤い
不可逆の川も君に従う
しかし、あの白い壁を見よ
哀れな尺取虫よ、
黒い炭を持って転げまわる影よ、
我が母なる友よ、
未だ陰りひとつない
あの白い壁を見よ
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