泥まじりの雨滴/フミタケ
 
ワイパーを動かすとフロントガラスに

茶色い泥まじりの水滴

風が吹きつづけた後の生あたたかい雨粒

ちょっともの憂くも

塵を洗い流してくれるだろう思いながら

12月の雨のことを考えていた

僕たちみんなの間にいつも降る雨を

いっそう凍えさせ、でも雪には変わらない冷たさ

そこに掴まるところは ない

貰った笑顔の全てでなくひと部分だけ

雲に切り取って、形を変えるたびにうすれ

やがて消えてしまうまで大切にそっとしまっておくよ

何が本当で、何がインチキなのか誰にもわからない

流されつづてもいいし、ひとつひとつきちんと選択して生き抜いて
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