おねんこ月/もるびん
子供の僕とくるくる堂のおとちゃん
右足いっしょに出してみた
ぐにょりんこ、ぴ、ぴ、ぴ
じーっとじーっと覗いてみたよ
そしたらあらあら、まあ〜まあおとちゃんが
存在自体を消されたよ
一人になった僕ちんも負けずに耳たぶ掴んでがんばった
それとほぼ同時に僕の右足が
静かに相対性理論を口ずさんだ
するとどうかな 不思議だね
遠くの景色が僕の記憶と入れ替わり
光の速さでおとちゃんが顔を
隠しているのが見えちゃった
地球の自転速度とおとちゃんのそれは、神秘数字
の速度で保たれ
僕の右足とも互換性があると確認された
後にその年をみんながみんな
おねんこ月と呼ぶようになった
がなぜか
最近ではうるう年なんてしゃれた言葉でごまかされているみたい
やだね、おとちゃん
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