ぼた雪/ルナ
 
常との中で
限りなく想いは募り
そして気持ちはかわらず
それが何故かもわからず

私は今でも手を伸ばしているよ
あの時
うさぎに伸ばした手のように
何にも触れず
何もわからず
それでも
手を伸ばし続けてるよ

それはただ
あなたに少しでいいから
近づきたい
ただそれだけの事
近づいたのかどうかもわからないまま
それでもいいから

今日もまた
季節外れのぼた雪
ひとつ ふたつ
ふたつ みっつ

私に降ればいいのに
私に届けばいいのに
そう思うけど
急な斜面の屋根の上
跳んで弾んで溶けるから
私の手には届かない

私はただそれを見ているよ
それが今の私にできる唯一の事ならば
それをやめてはいけないと思うから
目をそらしてはいけないと思うから
だから私は見続ける

あなたの生きた証を
あなたの淡くはかない美しさを
私は心に刻み付けます

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