うっとりする/佐藤真夏
明け方
白い目で
青空の夢を見ている
夕日が沈む頃は
終わりの見えない草むらに
黄色いブロックを置いて
隙間なく並べていく
毎日ひとつずつ
繰り返しては
あっちの砂漠で焼かれないように
確認する
日々の重みには
君の指先の匂いが混じっている
1日が終わる前に
背けた目を戻して見るべきは
たたかう君の
きつくなった口元や
燃える目です
君の鋭くなった遠吠えが
耳を囲んで
皮膚がおびえる夜は
氷になった君と
灼熱の砂漠に駆けてもいい
毎日
君の手に触れて
石になる夢を見ている
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