光りの肌着(十)/
信天翁
光りの肌着を
灯りのパジャマと着替えるとき
くらしのかおりは消え失せて
腐りかけたくだものの匂いだけが
洗面鏡のうらから漏れ出してくる
あゝ・・・・・・
追っかけられることはあっても
追いかけるものがない もうおれには
青い「時」に振り向きもされないから
赤い「空」から囁きもされないから
(2010/2/3/節分)
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