復活祭/寒雪
 

漆黒の闇を
手探りで進むように
もがき苦しむきみを見ることさえ
もう
今のぼくには堪えがたい苦痛なのだ


きみは
ぼくの気持ちなんてお構いなしに
ぼくのまわりに現れては
その凍りつくような笑顔を
投げつける
どんなに愛想良く
ぼくに話し掛けても
意味のないことさ


復活祭の前日
ぼくがきみについた
うその深刻さが
きみをいつまでも追いつめる
きみのことが好きだなんて
ジョークにしては出来すぎだよ


いつまでも
ぼくのそばにいようとしないでくれ
きみがぼくを嫌いになるよう
懸命になってるっていうのに


ぼくは
きみに愛される
[次のページ]
戻る   Point(1)