俯いて/鵜飼千代子
 
     俯いている
  
     苛立ちはこころを駆け
     涙は机に下垂る

     ー愛に育まれた女たちは
      夜は眠る時間だと
      知っているから
      静かで良い

     明日
     空に顔を向けた時
     あなたがたの嗜みが
     わたしのベールであるだろう

     蹲ることをせず
     また、
     立ち上がり
     歩き出す


         平成十五年七月二十七日
         初出 千葉県詩集 第三十六集 二〇〇三年版 

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