クレソンは今日も日を浴びる/
瀬崎 虎彦
きみはクレソンが苦手
愛は水道の蛇口からとめどなく溢れ
光はひらひらとソファの上に舞う
ぼくはもうなにも目にすることがなく
きみだけが世界の同義語として君臨する
せかいが死ぬことをぼくは理解していない
ヴェランダでクレソンは育ち続け
ぼくはそれをほったらかしている
世界は死にクレソンは今日も日を浴びる
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