君のいる風景(3)/まどろむ海月
 
水は
朝日に燦めいて
山間から下りた雲が
かすめては過ぎる






苔むした原生林の斜面を
果てもなく登り続けた
冷たく 底の知れない・・
やさしさ に包まれて

霧が 林の中を過ぎて行く
幾度もふり返りながら






なだらかな霧の高原を二人は歩いた
現われては消える 木立と
岩肌と 高山草花と

草の中に安らぐ君の姿も
這うように 通り過ぎる霧に 隠れて
時々 見えなかったりする

どこか べつの世界でも 二人だった
のだろうか こんなふうに





              





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