君のいる風景(3)/
まどろむ海月
水は
朝日に燦めいて
山間から下りた雲が
かすめては過ぎる
苔むした原生林の斜面を
果てもなく登り続けた
冷たく 底の知れない・・
やさしさ に包まれて
霧が 林の中を過ぎて行く
幾度もふり返りながら
なだらかな霧の高原を二人は歩いた
現われては消える 木立と
岩肌と 高山草花と
草の中に安らぐ君の姿も
這うように 通り過ぎる霧に 隠れて
時々 見えなかったりする
どこか べつの世界でも 二人だった
のだろうか こんなふうに
}
戻る
編
削
Point
(5)