あいしてるだけが言葉じゃない/あぐり
 


やわらかくわたしを縛る毎日に きみのしあわせがあるのかしらない


ゆるませたわたしの目元にきみの名を 描くとしたらチャイナホワイト


よるなのに指が冷えない。だってきみ わたしを絶えず浸しているから。



*らりるれろでちいさくおどろう


来週、もしお暇なら海岸で わたしとサティを聴きませんか?


理屈っぽいあなたの寝癖を盗み見て 潮風の中、小さく歌う


ルーペ越し、透明な砂覗いたら 瞳のまたたく音が聞こえた


冷静なその横顔がゆうるりと静かに微笑む。そんな音色。


ロビンソンみたいにひとりになってもさ、ハミングしてよ、波に重ねて。



*わをんがずっときしんでるんです

わかってよ。諦め癖があったって、こぼしたくない涙があること。


をとこだと、きみと喧嘩した朝は、そんなふうに呼んでみたくなる、ごめん。


ん。わかった。その言葉で何グラム さみしいかたまり飲み込んだだろ。





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