春のしらべ/朧月
春は私に重いので
春にあわずにゆきたいの
柔らかい風をさけるよに
夜の無音の中をゆく
春は私に重いので
春の言葉をきかないの
すべてを包むあたたかさより
ときおりの冷気がちょうどいい
春は私に重いので
思い出なんかに浸ります
あの頃夢みた約束は
いつなのかしらと想います
春はいつくる 今来てる
いろんな花を従えて
春の雲さえ透き通り
さよならなんかを伝えてる
春の出会いよ さよならよ
ふんわりしていて きっぱりと
決別の春よ これからの春
春は私に重いのです
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