子供事情/朧月
 
子犬が
僕のほうみて くうんと 鳴いたから
僕は自然に頭をなぜていた

下校途中で おじさんが耕してる
畑に野菜の花が咲いている
僕はそれを見て 綺麗だとおもったんだ
名前も知らない小さな花を見て
生きてることの 強さを知ったんだ

言われなくてもいい
見せられなくたっていい
僕らの世界は 僕の目で見れるんだ
明るくなくても 光じゃなくても
僕らは ゆくんだ 僕らの足でまた
すすめるんだ いっぽずつ


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