太古の過ち/真島正人
{引用=
時間は不可逆なのに
舞い戻ってくる
生物の
柔らかさをまとって
僕は
悲しい
寂しい
どうしたらいい?
すべての過ちが
生えそろう
青々と葉を茂らせて
背の短い野原を作る
その場所にしゃがみこむ僕の
尻は濡れる
朝露によって
そして僕は泣いてしまう
さめざめとした気持ちで
ぐるり
と
回る
時間は回る
時計のあの形など
時間は気にもとめまい
預言書が描いたすべての筆記事項を
時間は笑いながら否定して
黒人歌手のスピリチュアルな
叫びをあざけって
黒い鳥の心臓で持って
神官たちを
欺く
青ざめさせる
それらが繰り返されてき
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