仮題心中/吉岡ペペロ
 

体温ほどのとろ火で

もうずっと煮つめ合っている

女はなんどめかの

ケイレンでお腹を震わせていた

男のさきっぽには

涙のような汁がうすくたれている

午後五時半

冬の夕暮れ


いっしょに、死のう、


男 女 が

まぶたの裏ほどの闇を

爆発させる
戻る   Point(4)