それは昔に/15フィールズ
 
だろう





しばらくして
彼女は僕の肩に頭を載せて
音もなく静かに泣き出した
彼女の小さな振動が
不定のリズムで僕に伝わる
その時僕は
泣きたかったのかもしれない
けれどもうそれは思い出せない
わかってることといえば
これからの僕達のことだけだった





僕達の上にゆっくりと
燃え尽きた星が降りてきて
お話の終わりを優しく朗読した
やがて本当に消えた星を背に
僕達はそれぞれ
新しいお話を探しに行った
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