新生/寒雪
 

両足を
地面にしっかり
踏みしめるための儀式


自分が
生まれて以来
住み続けたこの家に
ガソリンをまいて
火をつける


炎は
勢いよく
天に届くほど
高く
火柱が上がるのが良い


写真アルバムだとか
仏壇だとか
割れかけの茶碗だとか
みんなみんな
灰になって
跡には
後腐れなく
何もないのが良い


真っ新な大地に
むき出しで
空っぽで
透明になった
これからの僕がいるのだ

戻る   Point(2)