ぼくは眠っていた/オイタル
 
は遠くを指差す
その指の果てに点滅する赤いシグナル
それとコンビニの汚れた看板

昼のおべんとの連絡が入る
いくつかの和解といくつかの裏切り
そして何人かが隊列を崩してホールへと駆け込む
何人かは扉の陰で身動きができない

ぼくはやっぱり眠っていた
電柱の先から昼の薄い陽がはずれ
遠くなった車のクラクションも少しずつ
還ってくるころに

色の褪めた昼下がりの保育園で
ぼくはまだ眠っていた
氷砂糖をなめ 明日
金色の自転車に乗る夢を見ながら
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