ぼくは眠っていた/オイタル
ぼくはずっと眠っていた
家並みの混んだ路地の奥
細い電線が空に絡まる保育園の
二階のしわくちゃな布団の上で まんまるに
ぼくの夢の上を白茶けた紙飛行機と
たくさんの紙の砲弾が行き来した
階段の下ではいくつかの悲鳴
窓の外に 幼い司令官の歓声
人を乗せないブランコがゆれて燃え上がり
支柱から外れたシーソーが水中に半ば身を沈める
窓から侵入した何人かの歩兵が
女の子の髪を引っ張ってる
ぼくはずっと眠っていた
小太りのタイチくんが高く鼻血を吹き出し
キョウコちゃんのお人形が肩口に傷を受けて
黒い水溜りに落ちたというのに
長く伸びた髪を垂らして
司令官は遠
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