正しき多面体/風恋誦
珠旋律へ
多面体のある雨漏り番地
いまも補修工事のトンカチが
鋭く響いている
秘密の工場 秘密の向上
ブリキのようにひんやりして
空虚に思える夜があって
思い出の不知火だけが
溟い海で光のパレード
その中で知らない光をみつけた
それを明日と呼ぶのだろうか
てのひらで包むように捕獲すると
光はどこへ消えるだろうか
多面体の内側で 放るスーパーボール
ひどい事になるよ
角がふえて面がふえる毎に
ひどくなる
それでも万華鏡のように彩豊かな
風景をつくりだせるなら
もう一度愛してみようかな
マラソンの直後のような目が覚める清々しい疲れを
戻る 編 削 Point(4)