夜に鳴く鳥/朧月
 
目から水分が流れ出て
喉がやたら渇いている
夜だからか
夜の傾斜が この喉へ突き刺さるせいか

星も月もまばゆい
地面から真っ直ぐのぼってゆく生命たちよ
お前たちはなぜ迷いがない?

ふと
背後の気配にふりむくその前に
飛ぶ鳥よ 夜の
お前は 黒い鳥なのになぜ光る
ヒトのよに愚かな考えを持たぬからか

ぴよろ と鳴く声も夜半に響く
かすかに花は頷く

ぴよろ と鳴く声は山に届いて
わずかに枝は軋む

声は枯れて文字すら浮かんではこず
過去へ逃げ出したくなるけれど
零下の風はカラダを透かしていった

ぴよろ と声は響く

ぴよろ と声は届く




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