僕と猫と三日月/朧月
真っ暗な空に
両端が刺さりそうなぐらい尖った
三日月が横になっていた
なぜか 両側に霞がかかっていた
あれは だれかの曇った瞳なのだろう
心の4番目のドアをあけて中のものをぶちまけたような
黒の空だった 黒 一面の空だった
猫の目みたいな三日月は救いにならなくて
心にぐさりとささりました 真っ赤な血の出る音がした
車の軋む音がする
老人が道路を横断してる
きっと昔この道路はあの老人の畑だったのだろう
農作業中みたいな帽子かぶった
老人は稲をみているような目で通り過ぎた
がたがたうるさいと思ったら
かばんから猫がでてきたよ
だれの猫かと思ったら
昔読
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