ranka/イシダユーリ
血が
よろこんで
泣くから
わたしの
血が
透明になるから
肋骨に
ひかりを
あてろ
さようならをするでしょうね
ことばを
なにひとついわないようになる
こえが
からだよりもさきについえる
そのような
さようならをするでしょう
かじかむのに
べたつく
掌を
あわせて
いる
もう
すっかり
大人になったので
鼻血が
でることも
なかったの
きみは
まだ
いまのところは
とても
元気がいいね
だから
空の
ひびわれを
見ようと
わたしは
目をほそめた
がんがんと
君の声が
ひびわれを
たたいている
そして
ばらばらの日々は
よろこび
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