ranka/イシダユーリ
 
さようならをするでしょうね
明日のことがわからない
おはようございますと言うでしょうね
昨日のことがおもいだせない

血が
よろこんで
泣くから
肋骨に
光を
あてろ
酸素を
口から
追い出して
皮膚を
波打たせる

鍵を
鍵穴に
さし続けていた
がちゃがちゃと
夜通し
回しつづけ
きみの
鼻血がどうしても
みたいから

ドアの向こうで
声がする
鍵が
つぎつぎに
折れる
指の骨
掌の骨
腕の骨

すっかり
やわらかくなる
乗り物が
背後で
通り過ぎる
数が増え
数が減る
鼻血をだすために
買ってきた

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