二年間でズタボロになってしまった/真島正人
 
僕は冷蔵庫みたいに冷え切っていた
僕は寒かった
僕は毛皮がほしかった
腰まであればよかったな
僕は口に煙草をくわえた
その次にしたいことは
いつも定まらなかった

丘の上から
弟が呼んでいる
いつもの夢だ
ぼんやりとしている弟の姿
あ、なんだもうすぐだな
ほら弟の頭が火を噴いて爆発した
こんなものだ夢なんて

僕は冷蔵庫のようなものだったが
僕はその扉を開けることが出来なかった
扉の中には心臓が入っていた
だからあけることは出来ない
出来ないことについてなぜ出来ないのかを
説明することはいつも出来た
だがそれだけじゃ足りなかった
川岸を
ボロ船が過ぎ
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