エレヴェータ /刑部憲暁
 
エレヴェータ に乗っている
ねても さめても いつでも
エレヴェータ の透明なガラスは
都市の骨を映し出して
エレヴェータ は昇る
いき あっても いきたえていても
エレヴェータ は香りに満ちて
輝きに映え
夜に終りをつげる
エレヴェータ 寝てる音楽も
起きてる音楽も ジャズみたいにわらい
踏みだしたリズムと その上昇と下降は
火星に届くまでのあいだ いいえ
火星よりの脱出のためにこそ
エレヴェータ は香りに満ちている
笑っている 話している
眼を閉じている
エレヴェータ
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