僕に追いつく/夏川ゆう
窓の外夜明けの街が見えてくる時間はやっと僕に追いつく
悪夢から逃れるために朝を呼ぶ白く浮き出る山里の霧
サスペンスドラマの合間に殺人のニュースが流れ心複雑
試験日の前夜に食べる一夜漬け問題集も食べ尽くしたい
投げ捨てた過去の恋愛見たくない軽い余韻に痺れる心
消えかかる余韻に浸り観る夢は恋も出来ない彷徨う生霊
ビール飲み唇に泡少しつけ今日の疲れを炭酸がはじく
テーブルに置かれた眼鏡忘れ物君の匂いが愛を囁く
雷が何度も響く昼休み消えそうになる電気が笑う
やる気さえ奪い取ろうとする悪魔残されたのは加齢臭だけ
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