子供たちの世界/真島正人
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ここにつづられている出来事、名前、心情の一切は嘘であり、時間関係も、もち ろんのごとく、事実に該当しないので、よろしく。
言葉で表現をしようとすると、たいていの物事は絵空事になり、僕はそのたびにため息をついた。僕が『美しい言葉』をノートに書き溜めていたのは中学生の頃だが、高校生になったら総理大臣が『美しい国』とほざいているのをテレビで見て、吐き気を催したので、僕の『美しい言葉』をつづったノートは引っ張り出してきて庭で焼いた。他人が似たようなことを言っているのを見ると、自分の行為が恥ずかしくなるものなのだ。それにしても、僕はとにかく腹を立てやすくなっていて、高校生の頃
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