漂流者/やや
 
風さえ眠った真夜中
月と花だけが起きている

 ぴとん ぴとんと
君の白いベッドは滴った闇で濡れている
けれども君は決して染まることはない

 しゃらん しゃらんと
暗がりで微かに鳴った茶色い髪
この世界を拒絶する寝顔は限りなく無垢だ
いつもの不敵な笑みは事実なのかもしれない

眠れずベッドから抜け出る
冬でもないのに身体が冷えて仕方がない
息を吐く度に胸の中に溜まった澱が揺れる
自分の手と足が闇に滲んでいる

根本的な相違
そこでようやく私は諭される

いつかきっととても悲しいことが起きる。
ずっと拒絶していた子を迎え入れよう。
こんなにも変化に怖れて
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