オールラウンド/朧月
 
自分だけの世界にだれもいない
なんて思うことはあさはかで

草木の陰 風の中 きこえる音
それぞれに 生きる命 かくれて
そこに世界がある

どちらが優先か 己が決めるだけ
どうせ という理由ですねてみても

なんの力もありはしないから
真っ直ぐにみても いいと思う

あたる風に 抵抗感もっても
その無数な意味には勝てず
なくす方向の試みはいつでも
ただ時の減少にされるがままで

ある ということに
いっそ 無抵抗であっても
なんの困りはしないのだから
はだか でいるがごとくの想いで
吹かれてみよう一度でも

高台の風は 地面の一番近い場所の
それとなんら変わりはしない
そんな時も場所も選ばれはしない のならば

なぜ
自分だけが 選ばれて不幸だなんて
想うこともない


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