無題/
舞狐
とん
と背中を押された
ためらっていた足が
転ばないよう
身体を支えるように一歩
また一歩
歩き始めた赤ん坊のように
ぎこちなく踏み出した足と心
このまま進もう
とにかく進もう
背中を押してくれた人に感謝しながら
しかし振り返らず
歩いてみよう
きっと彼女も歩いているはずだから
あの丘をこえたら
お礼を言おう
今は ただ歩みを止めず
歩き続けよう
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