サファイアの夢/水島芳野
森の中で、僕の為にピアノ 弾いてよ。
海の中で、君の為のことば 言ってよ。
サファイアの目をした王子さまは幸せになれたのかって?
声と引き換えに、人魚姫は王子さまと結ばれたのかって?
恋の終わりに似てるような
僕の吐いた白い息の儚さは
君の見上げた星空にも降る
血を吐くような夜に
君を想って月に手を伸ばした。
全部奪い去っていっていいよ
僕の事を泡にしてしまっていい
このままこなごなにして
そして、あのサファイアの海で、あたらしい恋をして。
そんなふうにどうかきっと
僕を忘れて。
僕の瞳が翳るわけを
どうかみつけないで
戻る 編 削 Point(0)