サファイアの夢/水島芳野
 
森の中で、僕の為にピアノ 弾いてよ。
海の中で、君の為のことば 言ってよ。

サファイアの目をした王子さまは幸せになれたのかって?
声と引き換えに、人魚姫は王子さまと結ばれたのかって?

恋の終わりに似てるような
僕の吐いた白い息の儚さは
君の見上げた星空にも降る

血を吐くような夜に
君を想って月に手を伸ばした。

全部奪い去っていっていいよ
僕の事を泡にしてしまっていい

このままこなごなにして
そして、あのサファイアの海で、あたらしい恋をして。
そんなふうにどうかきっと
僕を忘れて。

僕の瞳が翳るわけを
どうかみつけないで
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