アポトーシス/umineko
 

放たれたリミット

ふたりがこわれていかないように

あなたをゆさゆさ揺さぶって
そのたびひとみは涙を跳ねて
それでもあなたは首をふる
アポトーシス

あなたの肩にかけた両手が
いつしかあなたに食い込んで
それでもわたしは気付いていたのだ

アポトーシス

あなたを蝕む哀しみよりも
わたしのこころは死を選ぶ

*  *  *  *  *  *  *  


何ごともなかったように
呼吸を続けるわたしには

空の色も
風の音も
もう響いてはくれなくて

死んでしまったわたしの上を
さらさら

水はゆくのです


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